しもばの放浪日記

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戦慄のナイジェリア(前編)


先入観は旅における重要な要素の一つだ。期待が募れば募るほど実物がそれに追いつかず拍子抜けすることは数多い。もちろんその逆も有り得る。いずれにせよ、理想と現実のギャップがその評価を大きく左右する。

西アフリカを旅している間、ずっと頭にこびりついていた懸念事項があった。ナイジェリア。やたらと悪い噂を耳にするこの国に行くべきか否か、ずっと迷い続けていた。欧米人旅行者に尋ねても、
「ナイジェリア行くの!?」
若干引き気味である。ガーナ人にすら
「俺に言えるのは『行くな』ということくらいだ」
と言われる始末。セネガルの日本大使館では
「腕時計を盗むためにナタで手首ごと切り落とすなんて話もあるから気をつけてね」
……はい、気をつけます。

一方で、軍事政権が倒れて以降は大分マシになっているという話も聞く。インターネットでも、『噂ほど危険な感じはなかった』などと書いてある。だが、西アフリカを旅行している人達は大概がその手前で旅を終えてしまう。実際に行ったことがある人に直接出会う機会がほとんどないのでなかなか実態が見えてこないのだ。

そんな折、ナイジェリア中部で一つの事件が起こった。イスラム系の武装集団がキリスト教系住民を虐殺したというのだ。それも、深夜に村を襲撃し、驚いて家から出てきた村人を手斧で殺していったという陰惨なもの。一体いつの時代の話だ……。

地方選挙の結果を受けての住民同士の対立が発端であるらしい。思えば、コートジボワールに行く前にも、
「今は選挙前だから止めた方がいいんじゃない?」
という忠告を受けた。コートジボワールでは、本来数年前に行われるはずだった選挙を現政府がずっと引き延ばし続け、今年行われるはずの期日もとうに過ぎているのだという。トーゴに入国する前も、大統領選挙の結果を不満とするデモが起こり、国境が一時閉鎖されたという情報があった。こちらは、40年間の長期政権を続けた大統領が倒れた後、その息子が大統領の地位に付き、今回の選挙でまたも再選されたのだそうだ。結果的にはどちらの国も無事に通過できたわけだが、しかし……このへんの国は選挙の度に毎回こんなことになっているのだろうか。

今回の事件が起こった場所は自分の通るルートからは遠く離れているものの、更なる恐怖を抱くには十分だった。飛行機を使おうか真剣に悩んだ。以前に訪れたエチオピアに飛びさえすれば一応旅のルートは繋がる。そこからアフリカ大陸の東側ルートを取った方が、このまま進むよりも遥かに楽なのも分かり切っている。だが、今まで陸路海路にこだわるが故に、チベットを抜けられないためネパールインドに行くのを諦め、海賊の出没する紅海を渡り、リビアVISA取得のために一ヶ月を費やした。その一つ一つが意味を失ってしまうようで悔しかった。おまけにナイジェリアの先にはカメルーンだのガボンだのアンゴラだのわけのわからない国がたくさんあるのだ。それらが全て未知のまま終わってしまうのはあまりにもったいないではないか。

悩んだ末、本来の予定通りガーナにてナイジェリアVISAを申請。取れたら行く。取れなかったら仕方ない、飛ぶ。選択をナイジェリア政府に一任することにした。元々旅行者に対してはビザの発給を好まないとされるナイジェリア。今回の件で更に取得が厳しくなっている可能性もある。取れなきゃいいのに、半分くらいそう思っていた。だが結果、実にあっさりと取れてしまったのであった。

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