しもばの放浪日記

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分岐点
今更ながら女子W杯について。

本当に流れというものはあるのだと感じた。グループリーグの最終戦、決勝トーナメントを見据えた上で落とせない相手だったイングランドに敗れた。これで準々決勝は開催国ドイツとの対戦。非常に厳しいだろうと思った。負けてもドイツの試合が見られるならいいか、それくらいに思っていた。

ドイツ人の観客で埋め尽くされたスタジアム。序盤、人々の表情には明らかに余裕の色が浮かんでいた。楽勝ムードに包まれていた会場。だが、それが緊迫感へと切り替わる瞬間が確かにあった。次第に苛立ちとため息を募らせていく人々。そして延長の決勝ゴール。満員の会場は静まりかえった。

この瞬間、イングランド戦の敗退は大いなる歓喜への伏線となった。日本vsイングランドの翌日、グループリーグでは更なる波乱が起こっていたのだ。スウェーデンがアメリカを下して1位通過を決めた。おかげで日本はアメリカと決勝まで当たることはなくなった。そして準決勝でスウェーデンに快勝。ドイツを破った勢いを持続したまま、実に理想的な状態で決勝に駒を進めることとなった。



決勝については、色々なところで語り尽くされているであろうので特には語らない。
「素晴らしかった」
その一言に尽きると思う。

試合の外の部分で感動したのは、ドイツ人のサッカーに対する温かさだった。ひょっとしたらそれは、女子W杯だからこその光景だったのかもしれない。自国が敗れたとしても、大会そのものを見守っていこうという気持ちが見て取れた。決勝当日。実は朝からスタジアムのチケット売場に並んでいた。それまで何度もチケットを手に入れるチャンスはあった。だが、二の足を踏んでいたのだ。要はケチったのである。ドイツが敗退した今、決勝のチケットなど余るだろう。ひょっとしたらダフ屋が持っているチケットが暴落するかもしれないとタカをくくっていたのだ。

だが、実際は逆だった。チケットの値段は決勝が近付くにつれ軒並み上昇。当日も、
「キャンセル分のチケットが出るかもしれない」
そう期待して並んだのだが、完売のまま。しかも、同じようにチケットを求めやってくるドイツ人が何人もいたのには驚いた。自国が敗退した女子W杯などもはや興味ないだろう、そんなふうに考えていた自分の浅はかさを恥じる思いだった。幸いにも、最終的にはチケットを定価で譲ってくれる人が現れ、優勝の瞬間を目の当たりにすることができたのだが。

それまで全く姿を現さなかった日本のマスコミは突然増えた。もちろん、日本の現状においてそう簡単に動けないという事情もあったのかもしれない。だが、南アフリカのときもそうだったではないか。街頭で受けたインタビュー。カメルーン戦を間近に控えていたにもかかわらず、質問は治安についての一点のみ。そのくせデンマーク戦後は
「岡田監督どーですか!?」
毎度、彼らの豹変振りには呆れる。思うに、日本のメディアには自ら物事を発信していこうという姿勢が喪失している。今回も、決勝当日にようやくやって来て
「チケット手に入らないんですかぁ?何時から並んでらっしゃるんですかぁ?」
あんたら今更何しに来たんだ。人々が注目していなくとも、人々が注目していないからこそ伝えたいという意思はないのか。金の匂いがしはじめて初めて動く。メディア以外にも気になる部分はあった。例えば、ドイツ中にちらばるスポーツチェーン店。ドイツは国を挙げての女子W杯キャンペーン中。ドイツ、アメリカ、ブラジルはもちろん、ノルウェー、スウェーデンの女子代表のユニフォームが並ぶ。だが、カナダすら目にしたのに、日本のそれはどこに行っても見つからなかった。決勝前、日本を応援しようとユニフォームを探し求めたドイツ人はきっと何人もいたはずだ。開催国ですら売られていないユニフォーム。金になる、ならないではない。自分たちで価値ある空間を作り出していこう。そういう意識が日本人はあまりにも低いのではないだろうか。

そんな中、彼女らは自らの力で人々の注目を勝ち取った。この先、日本でぜひ女子W杯をという動きも熱を帯びていくに違いない。いざそうなったとき、ドイツが見せてくれたような温もりを、大会そのものに対する愛情を、日本は表現することができるだろうか。もう一つ。なでしこジャパンが優勝したのと同じ日に、スポーツサイトで小さく切り取られたニュースを見つけた。
『女子ソフトボール日本代表、カナダで行われた大会でアメリカを破り優勝』
芽吹いたものを温かく育てていくことを忘れてはいけないと思う。

ドイツの後、アラスカに飛ぼうとチケットまで購入していたのだが、寒さにおびえ直前で思いとどまってしまった。そしてなぜかイギリスに。この決断で自分の旅の展開も大きく変わってしまうかもしれない。現在、自転車を購入しスコットランドを北上中。雨が降り続きこちらも寒い。だが、おかげでラグビーW杯はテレビ観戦できている。朝早くに眠い目をこすりながらであるが。


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